もしかして親が認知症?と感じたとき

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アラフィフ世代というと子育てがひと段落ついた方も多いと思います。

これから自分のおしゃれを楽しみながら、自由かつシンプルに暮らしを満喫しようと思っていたかもしれません。

でもそんな矢先に高齢の親の様子が「アレ、おかしいぞ?」と心配で頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。

親にもしや?!と思う瞬間があっても出来れば自分のライフスタイルを保持したいと、スルーしてしまっている人も少なくないのではないでしょうか。

そばにいる親が、もしくは離れて暮らす親のことが、そんな風に気になりだした人が読んでくださり、今後どうするべきか解決するヒントになれば幸いです。

私は、40代の終わりに長年勤めた会社を退職しました。そしてまさに就活の最中に実母の認知症が判明しました。

母は独身の姉と同居していましたが、潔癖症な姉とだんだん清潔にできなくなる母との間にトラブルが起きるのでたまたま失業中だった私が近距離で介護に加わっていました。


寄り添ってから母は数年で他界し、介護は終わりましたが、辛いと感じた当時のいろんな思いや経験をもとに、家族が認知症になって悩みを抱える人の解決のヒントになれば‥とブログをここに立ち上げました。

今回は、親の言動におおむね認知症を疑う場合、どうしたらいいかについてまとめました。


私の経験をもとにデイサービスに誘うコツなども紹介しているので、ぜひ最後まで読んでください。

認知症を疑うべき親の症状にはどんなものがあるか

同じものを何回も買ってくる
母の場合はハイター(漂白剤)でした。同居している姉が、たまり兼ねて私の元へハイターを何本も持ってきたのを覚えています。

料理が出来なくなる。
炊飯などの簡単な作業が出来なくなる。母は何度も炊飯に失敗したあげく、内窯を直接コンロの火にかけました。

お赤飯を作ろうとレトルトのあんこを入れてご飯を炊こうともしました。

お金の勘定が出来ない 
母が小さな額の支払いに対して、1万円札を出すことが多いのを見て「お店に迷惑だから細かく払ってあげなよ」と言ったら「そんな事をあんたが心配せんでいい!」と怒られました。

当時は不親切だとあきれましたが、今思えば既に勘定が出来なかったんですね。

鍵や財布など物をなくす
これまで気前の良かった母の口から「財布を失くしたからお金を貸して」とよく聞くようになった、ちょっとおかしい‥と叔母たちが言うようになりました。

身近な兄弟や友達からの情報は耳を傾けるべきですね。

被害妄想が激しい、誰かにものを盗まれたという。
母は、自分の大事な着物を盗られたと言って、父方の親戚の家に殴り込みに行きました。

元々仲が良かったわけではないので困ったもんだと頭を抱えたのですが、これは立派に病気の症状だったのですね。

物事への関心、意欲が薄れる
母の場合、好きだった洋裁をしても、床に落ちた糸くずの始末が出来ないのでよく姉に叱られていましたが、そのうち洋裁自体をしなくなりました。

物忘れが多い、同じことを何度も言う。
最初のころ、同じことを何度も言うことはあまり多くなかったのですが、私の簡単な行動に対して「そんな事出来るの!すごいな」といちいち感心していました。

後期には、お腹が空いたと繰り返し言う事が増えました。


などなど、人によって症状は様々ですが、本人をよく知る家族が【あれ、おかしい?】と違和感を感じるという事は、病気を疑う紛れもないサインです。

ですが、認知症の種類によって、計算などしっかり出来る人もいて判断が難しいです。
やはり思い切って専門医に診てもらうのが一番なのです。

加齢が原因で起こる物忘れとの違い

加齢による物忘れなのか認知症によるものなのか見極めるには、次のようなことに注目してください。


今朝なにを食べたか思い出せないのは、加齢によるものですが、食べたこと自体思い出せないのは病的なものを疑います。

体験したことの一部ではなくその体験自体、忘れるのが認知症です。

親の介護がとうとう始まるの?と、スルーしたい気持ちはよく分かります。でも放置した末にろくなことはありません。

他人様に迷惑をかけたり事故を起こしたり、取り返しのつかないことが起こるかもしれません。

また知人の話では、徘徊したお父さんが雪の中で発見されたという辛い結果を招いたことも。

その人の場合介護を放棄したわけではありませんが、それでも何かもっと予防できなかったかと申し訳ない気持ちに何度も襲われたそうです。

デイサービスなどの施設に通うルーティンができやすいのは初期のうちです。


自分があとで後悔しないためにも、親に今できる事をぜひ考えて歩み寄ってほしいと思います。

親が認知症かもしれない、まずどうすればいいか

介護が始まるなんて、不安でしかない‥

大丈夫!ひとつひとつやっていきましょ。

身近な家族への相談

上記のようないつもとは違う症状が目立ち、認知症を心配するのでしたら一人で抱え込まず、まずは兄弟や家族に相談しましょう。

旦那さんに言っても、あまりピンとこない事も多いので(性格によります)出来れば実の兄弟姉妹がいいでしょう。

一人っ子の人は、経験のある友人に声をかけるといいケアマネジャーを教えてくれたりするかもしれません。周りを頼ることに遠慮しないでください。

そして本人に「認知症なんじゃないの?」などと不安を煽るのはNGです。

ここで反感をかうとあとあといろんなことが進みにくくなるので、不満は本人以外に言って発散するようにして、本人の気持ちには出来るだけ寄り添うようにしてあげてください。

早めに病院を受診、脳の検査をする

専門医を受診するのはできるだけ早い方が良いです。病気に合った薬を処方してもらえれば、進行を遅らせることが出来るかもしれません。

まだ大丈夫だとのんきに構えていると突然病気が進行して環境を整えるより先に、日常生活にさらなる支障をきたす恐れもあります。

物忘れ外来、認知症外来のほか、精神科、脳神経内科、脳神経外科などで脳の検査ができれば、物忘れが脳の異変によるものなら、一目瞭然です。

脳血管障害が起こっているのか、脳が委縮しているのが原因なのか、物理的な判断ができるということは、認知症の進行や特徴的な症状などをある程度予測することが出来ます。


まだ初期症状の場合、本人の意思がはっきりしている為、受診を拒むケースも少なくありません。

本人が信頼を寄せるかかりつけ医に相談をして、健康診断としての検査だと説明して本人に直接検査をすすめてもらうのはいい方法だと思います。

私の場合、【●●様(母の名前) 本日までなら検査が無料です。健康の為検査にぜひお越しください。】

などと書いた紙を母に見せて、割とスムーズに検査を受けることが出来ました。

急いでいたので広告の裏に殴り書きでしたが(^^; 素直についてきてくれました。素直な性格の母で良かったです。


お時間のある方はパソコンでもっと信憑性のあるものを作成してみてください。

怖いことはしないよ、すぐに終わるからね

ついてくるだけであとは全部してあげるからね

優しい声かけで安心させてあげることをお忘れなく。

地域包括支援センターに相談する

認知症を疑ったタイミングで地域包括支援センターに相談することをお勧めします。


なんだかとっつきにくい名前ですが(私の個人的な印象ですw)地域包括支援センターとは、認知症やその家族をサポートしてくれる、各市町村に配置された施設です。


認知症について様々な情報や知識を専門のスタッフが教えてくれたり、専門医との連携を取ってくれます。

利用する人(介護が必要な人)の住まいによって区分されているので、どこの管轄か事前に電話で確認するのをお勧めします。

もし本人の前で認知症という言葉をさけてほしい場合は、電話であらかじめその旨も伝えるといいでしょう。

ケアマネージャーの選択

私は地域包括支援センターでいきなりケアマネージャーを決めてといわれ困った記憶があります。

全く情報がなくお任せすることにした結果、まだ比較的経験の浅い新米さんが担当になりました。

若い分フットワークは軽く、明るくていい人でしたが知らない事もありました。(私が逆に教えたこともあります)

なのでケアマネ選びに何の情報もない場合、念のため「ベテランさんにお願いしたい」と伝えるのは無難かもしれませんね。

もちろん経験の浅い新人さんでも、よくしてくれて助かったという声も聴きます。

かといってベテランさんだからなんだかいい方が横柄で、かえってやり取りが難しかったというケースもあります。

介護のお仕事をされている人や、介護の経験者が周りにいるなら、相談して情報を聞いてみると一番いいかもしれません。

途中でどうしても嫌なら、本人に直接言わず変更することができますので、ここであまり悩みすぎなくて大丈夫ですよ。

要介護認定の申請をする

これから介護保険サービスを利用するには要介護認定を受けることが必要です。

要介護認定の申請は市町村の窓口か地域支援包括センターで行います。認定調査は介護者となる人が自宅でどのようなことが出来るか軽い審査があります。

家族が付き添い、本人の状況の変化や介護に対する環境的な問題など、困っていることは正直に伝えたほうがよいと思います。

当日、本人が思いのほか気丈に振舞ったりして正確な認定がされないというケースも多くあります。なので家族がそばで助言したり事実を伝えることは必須です。

要介護の認定判定までは30日ほどかかるので早めに申請しましょう。

大まかに要支援と要介護の違いを述べるとこうなります。

要支援(要支援1~2) 日常生活に見守りや支援を必要とする状態

要介護(要介護1~5) 日常生活において介護を必要とする状態

介護保険を使えるまでの1ヶ月に何をしたらいい?

家まわり、部屋の片づけ

要介護認定までひと月ほどかかるとあって、その間にできることはないのかと焦ってしまう人も少なくありません。

必要な手続きをしたなら、家の周りや部屋に危ないものがあれば取り除いておきたいですね。

ガラリと模様替えをして本人が混乱するといけないので、どうしても大きな家具を動かす場合は、本人と相談しながら試みてください。

掃除をするうちにタンスに変なものが入っていたり、普通と違う行動なども発見できます。

何か見つけたら怒るのではなく、認定調査の時に報告できるようにメモしておきましょう。

そしてこんな所にこんなものが入っていたから戻しておくね。と本来あるべき場所を優しく教えてあげられるといいですね。

お母さん、食器棚に探してた眼鏡があったよ♪

分かりやすいようにテレビの前に置いておくね。

サービス施設の見学 デイケア、デイサービス

介護認定が下りるまでデイサービスの利用はできませんが医療の枠であるデイケアなら健康保険を使って利用する事が出来ます

(施設によって異なる場合もあるので確認してください)

私の場合、母を最初に連れて行った認知症外来でデイケアをやっていたので、まずそこを利用しました。

デイケアのスケジュールを貰って母が興味を持ちそうなレクリエーションをやっている日を狙って見学させてもらいました。

ボランティアが民謡を踊ってくれる日やカラオケのある日、バーベキューを食べさせてくれる日など、母を連れて見学へ行くと興味を持ってくれました。

ここなら食事もおやつも出てくるよ。

みんな自分がボケないように

通って楽しんでいるみたいだね。

そんなことを言って促しました。結果利用にこぎつけることが出来ました。

その日の様子はまた別の記事で書かせてもらいますね。よかったらまた覗きに来てください。

歯医者へ行く

虫歯はないか、差し歯、入れ歯に問題はないか、体が元気なうちに一度、歯医者へ行くことをお勧めします。

私の母の場合、認知症が判明してから母の口の中を見せてもらうと、奥歯が交互に抜け落ちていてシッカリ咀嚼できていなかったことが分かりました。

もっと早く気づいてあげていれば、しっかり脳へ刺激が伝わり、母の脳はもっと元気だったかもしれません。

この先、せっかく日課になったデイを休まなくていいように、施設などの入所が決まる前に、早めにお口のトラブルは減らしてあげたいですね。

まとめ

親(家族)に認知症の疑いの行動や症状がみられたら

  1. 一人で抱え込まず家族や身近な人に相談する
  2. 専門の病院を早めに受診する
     認知症(物忘れ)外来,精神科,脳神経内科,脳神経外科
     かかりつけ医に相談して健康診断の受診だと言って検査を促してもらう
  3. 地域包括支援センターや市町村の窓口(市役所)に相談して介護認定を申請する
    (ケアマネージャーを決める)
  4. 施設の見学をする (できれば最初に1人で下見、次は本人を連れて見学)
  5. 家の周りや部屋の環境を整える
  6. 歯医者へ行く(入れ歯、差し歯の作成や調整、虫歯の治))

家族の皆さんが不安なのは大変よく分かります。私も母の現実を知って急に心が苦しくなりました。

でも一番不安なのは本人だということを少しだけ想像してあげてください。大事にしていたつもりがまたお財布がない、鍵がない、周りから叱られる、なんでこうなるの。。。と不安だらけなのです。

憂さ晴らしさえできる術も、きっと思いつかないんですね。。。

これまでの親子としての関係性や環境は人それぞれだと思いますが、今自分がこうやって生きているのは親のおかげだということは紛れもない事実だと思うのです。

たとえ自分の親が認知症だと判明したとしても、急に別人扱いをするのではなく、同じ方向を向いて寄り添ってほしいと思います。

病気が進行するにつれて周りの協力や、専門のサービスが更に必要になります。

もし一人で抱えている人は周りを頼ってください。もし誰か一人に任せきりになっているのならば、ぜひ家族で分担して本人に関わってあげてほしいです。

手続きを手伝ってと声を上げないかもしれませんが、同じ家族の介護を一人にまかせないでいただきたいと強く思います。

主たる介護者となる人へ

なかなか現実を受け入れるのには時間がかかるものです。私はもしかしたら最後まで受け止められずにただ動いていたのかもしれません。

イライラしたり、つい当たってしまうことは誰にでもあることです。でも介護を投げ出すわけにはいかない。

ならばどうやったら少しでもお互いに穏やかでいられるかを考えると、怒ってばかりいたらかえって遠回りをしてしまうという事を頭の隅においておくことは大事です。

これからますます失敗や出来なくなることが増えていくと思いますが、今まで通りなるべく本人に優しく接してあげられるといいですね。

でもこのことも覚えておいてほしいです。

ちゃんと自分の残りの人生の方が長いのだということを忘れないでください。

介護自体、いつまで続くのか予測がつきません。介護する側が先に倒れてしまっては元も子もないので決して無理をしない、思いつめない、息抜きをしながら行ってほしいです。

この先の介護の道のりに何度も選択を迫られるときがあります。一人で決めないで周りの意見を聞くことも大切。ときに自分を優先する選択もあります。

俯瞰して物事を考える力をつけるそれが介護力です。その力をつけるのは徐々にでいいのです。

偉そうなことをいうほど立派な介護をしたつもりはありませんが、どなたかの耳に残れば幸いです。

だんだん周りがぼやけて視界が狭くなっていく不安な人の手を取って、この先の道を優しく案内してあげてほしいです。あなたがいればその人の足元はどんな時も間違いなく明るく照らさるはずです。

今日はここらへんで。最後までお読みいただきありがとうございました。

私はあなたの味方、ひとりではないですよ。深呼吸しながらいきましょう。

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